典」に發表。 一本」を田澤錦子の名で、十一月、同「淸 0 ほまれのからうた 大冢南赭子 昭和十一年六月、「森於菟に」を「文學」に少納言名譽唐詩」を「いなふね」の名で上卞イ 發表。 「文藝共進會」に發表。 明治八年 ( 一八七五 ) 八月九日、東京麹町一 昭和十五年六月、歌文集『泡沫千首』を自明治一一十八年一月、淨瑠璃「西行廓間答」 くすお を「文藝倶樂部」、七月、小説「醫學修業」、番町に生まれた。本名、大塚久壽雄。別 家版として刊行。 昭和十八年十二月、回想・短編集『森鸛外十一月、淨瑠璃「鏡花水月美人皹」、十一一稱、久壽雄子、楠絡・楠絡子。父正雄、母 伸子の長女。正雄は土佐藩士、のち鹿兒島 月、小説「しろばら」を「文藝倶樂部」に の系族』を大岡山書店より刊行。 發表。同月、許婚者上野彰と絶縁、發嫡手裁判所長、名古屋・宮城・東京各控訴院長 昭和十九年良精歿。 を任。 續を取り、美妙と結婚。 昭和三十一年 ( 一九五六 ) 一月二十六日歿。 明治二十一年この年ごろ共立女子職業學校 三 + 五日般説は誤り。 ) 八十七歳。同月、回想集明治二十九年二月、美妙との合作「峰の 殘月」を「文藝倶樂部」に發表。 ( ただし、こに入學。 『外の思ひ出』が八木書店より刊行。 れはほとんど美妙の作であろう。 ) 三月、結婚を解明治二十二年東京高等女學校に轉人學。 たが 消して歸鄕。四月、詩集「誰身の上」を「文明治二十三年佐佐木弘綱の竹柏園に入門、 田澤稻舟 藝倶樂部」に發表。同月、美妙、西戸カネ和歌を學んだ。 と結婚。六月、「月にうたふざんげの一ふ明治一一十四年四月、「尋花」を「婦女雜誌」 明治七年 ( 一八七四 ) 十二月二十八日、羽前 し」を「讀賣新聞」、「小町湯」を「文藝倶に發表。 國 ( 山形縣 ) 鶴岡五日町に生まれた。本名田 樂部」に發表。七月、前者を「懺悔物語」明治一一十六年高等女學校を卒業。 きん 澤錦。 ( 戸籍には誤って「銀」とあった場合もある。 ) と改題して同誌に、同月、詩「忍び音」を明治一一十七年十一月、小説「應募兵」 ( ー + 二月 ) を「婦女雜誌」に發表。 通稱、錦子。父淸、母信の長女。淸は鶴岡同誌に發表。八月、淨瑠璃「殘怨日高夜嵐」 藩士、外科醫。信は浴場を營み、米の仲を「智徳曾雜誌」に發表。九月十日午前七明治一一十八年一月、小屋保治 ( 美學者、東京專 買、骨董の賣買まで試みた。錦は醫學、時十五分歿、病名急性脯炎。二十三歳。法門學校講師 ) を迎えて結婚、保治は大塚姓を に畫家を志したという。 號、淨德院眞如妙覺大姉。遺骨は日和町般稱した。五月、軍歌「泣くな我子」を「太 明治二十四年春上京、共立女子職業學校若寺に葬る。十一月、小説「五大堂」が陽」、十二月、小説「暮ゆく秋」を「文藝 ( 共立女子大學の前身 ) 圖晝 ( 乙 ) 科に入學 。間「文藝倶樂部」に掲載された。同三十一年倶樂部」に發表。 もなく山田美妙と知り、戀愛に陷る。この 一月、「唯我獨奪」が同誌に掲載された。明治二十九年保治ドイツに留學。七月、 ころまでに『古今集』陸奥歌にちなんで稻昭和十年十月、『美妙選集』下卷が立命「いっ迄草」を「文藝倶樂部」に發表。こ のころ長女雪江が生まれた。松野フリーダ 館大學出版部より刊行。同書に「鏡花録」、 舟 ( いなふね・いなぶね ) と號していた。 に英語、橘糸重にピアノ、跡見玉枝、橋本 「五大堂」が收められている。 明治二十五年家の命で歸鄕。 雅邦に繪晝を學び、明治女學校に聽講し 明治二十七年四月、淨瑠璃「萩の花妻操の

明治四十年七月から九月まで、長細小説明治一一十七年四月から約一 = カ年、ピアノをケ ーベルに學んだ。 明治一一一十年一月、小説「しのび音」を「文「露」 ( ー九月 ) を「萬朝報」に發表、四十一 明治一一十九年ロシャ語を學び始めた。 年八月刊行。 藝倶樂部」に發表。 明治一一一十一一一年九月、小説「金時計」を「明明治四十一年四月、長編小説「空薫一↑、明治三十一年十二月、瀬沼恪三郎學去 ニコライ前學校校長 ) と士ロ昏。 月 ) を「東京朝日新聞」に發表。 星」に發表 ( 三十四年十月文友館刊行の『靑燈集」 = 所收 ) 。この年保治歸國、東京帝國大學敎授明治四十二年一月、短編集『曉露集』を弘明治三十四年二月、恪三郞を介して尾崎紅 となり、美學・美術史の講座を擔當。この道館より刊行。五月、「空」續編 ( 、月 ) 葉に入門、三月、夏葉の號を紅葉より與え を「東京朝日新聞」に發表。この年長男弘られた。四月、飜譯「あけぼの」を「文豪」 ころ敎授夫人の集まりである「すみれ會」 に紅藝鬨として發表。以後紅葉の在世中は が生まれた。 を起こした。 明治一一一十四年 = 一月、飜譯「うっせみ」↑三明治四十 = 一年 ( 一九一〇 ) 春、「大阪朝日新作品の校閲を受けた。 聞」のため長編小説「雲影」を執筆、中明治一二十五年九月、飜譯「アンナカレ = + 五年二月 ) を「心の花」に發表。 ナ」 ( ー三十六年二月、未完 ) を「文叢」に發表。 明治三十五年一一一月、戯曲「綿帽子」を「文絶。七月、病のため大磯に轉地療養。十一 藝界」、六月、飜譯「藻屑」 ( , 。 ~ , ) を月九日午後一一時一 = 十分歿。病名肋膜炎。遺明治三十六年八月、飜譯「月と人」 ( , = " こ、十月、「寫眞帖」 ( 同 ) を「新小説」、「公 「白百合」、七月、小説「離鴛鴦」を「婦人骨は雜司ヶ谷墓地に埋葬。 用」を『換菓篇』に發表。 界」に發表。 明治一一一十七年四月、飜譯「貧しき少女」 明治三十六年一月、飜譯「墓場の寶石」瀨沼夏葉 ( ドストエフスキー ) を「文藝倶樂部」に發表。 ( ゴリキ↓を「婦人界」に發表。 明治一一一十四年一月、「密會」 ( ー一一月 ) を「明明治八年 ( 一八七五 ) 十二月一日高崎に生ま明治一一一十九年四月、飜譯「六號室」 ( , = ノ ) を「文藝界」に發表。 れた。本名、山田郁子、涌稱、いく子。父 星」「文藝倶樂部」に發表。 明治一一一十八年一月、詩「お百度詣」を「太勘次郎、母よかの長女。勘次郎は種物商、明治四十一年八月、小品「をんな」を「文 章世界」に發表。十月、『露國文豪チェホフ ししく 陽」、小説「御新造」を「女學世界」、五夫妻とも舊敎徒。 傑作集』を獅子吼書房より刊行。 月、同「炎」を「明星」、十一月、同「湯明治十二年、弟眞欽が生まれた。 明治四十二年七月、渡露紀行「見たまゝ」 の香」を「女鑑」、同「七色」を「時代思明治十六年十月よか歿。 年 明治十八年上京、 = 「フィ女子溿學校に入その他を「讀賣新聞」に發表。 潮」に發表。 明治四十三年二月、「チェホフの作風とロ 女明治三十九年一月、短編・飜譯・戲曲集學。 『睛小袖』を隆文館から刊行。三月、小説明治一一十五年七月同校を卒業、母校の學シア人の生活思想」を「新聲」に發表。 明 「客間」を「早稻田文學」に發表。八月、敎師とな 0 た。十一月、同校より雜誌「婦明治四十四年一月、飜譯「クリミャ物語」 四女壽美子が生まれた。 ( = 《 = 。 00 子 = 0 學裏錦」創刊、以後一一十九年秋まで同誌に ( ' 。 ~ , ) を「讀賣新聞」に發表。五月再び 渡露。 歌、句、詩、隨想、飜譯などを寄稿。 夭折した一女が生まれた。 )

十七年まで政治演説に從った。このころ以 五月 ) を「都の花」に發表。 生まれ年の干支である甲子にちなんだ名。 6 前に湘煙と號した。號は唐詩の「湘潭煙」明治一一十三年七月、信行第一回衆議院議員通稱かし・かし子、のち嘉志・嘉志子。の ( 五湖の景 ) から採ったもの。信行の妻初穂は選擧に當選、十一月初代議長になった。 ち島田姓、大川姓、松川姓を經て巖本姓。 まさよし 久萬吉・多嘉吉・邦彦の三兒を遺し、同十明治一一十五年十一月、イタリヤ公使となっ 父松川勝次郞正義の長女。正義は會津藩士 三年歿。 ( 信行は某女と再婚、まもなく離婚。 ) た信行とともに病を押してローマに出發。 古川氏の出で、同松川氏の養子となり、元 はこいり がき おんみつ 明治十六年十月、大津で「函入娘」「婚姻之明治一一十六年九月、信行とともに病のため治二年、公用人物書すなわち隱密の役に就 不完全」の演説後拘引され入獄。演説の内歸國、ともに療養生活を送った。 いたため假りに島田姓を稱した。戊辰の役 容はこの年小册子として刊行。 明治一一十七年八月、信行貴族院議員。 の後、明治一一年上京、松川姓を稱し、鄕國 明治十七年一月、上京。このころ信行と結明治一一十九年信行男爵となった。 の妻子には島田姓を稱させた。 ばれたらしい。五月、星亨主宰の新聞「自明治一二十年一月、小説「一沈一浮」を「文明治三年母が一一十八蔵で病歿。妹みや ( 美也 ゅうのともしび 由燈」に「自由燈の光を戀ひて心を述ぶ」藝倶樂部」に發表。 とも ) は親戚に引きとられ、甲子は横濱の織 以下の論説を發表。 明治三十一年十一月、大磯に轉居、夫妻と物商山城屋の番頭大川甚平 ( 甚兵衞とも ) の 明治十八年信行とともに受洗。 もに療養。 養女として引きとられた。義母とり ( ろくと 明治十九年この年ごろ中島家に人った。 ( 信明治三十二年一月、隨筆・日記「大磯だよ も ) 。正義は林えひ ( 通稱、榮子 ) を娶り、一男 はしめ 行との結婚はいわゆる自由結婚。 ) この年から巖本り」 ( ー三十三年三月 ) を「女學雜誌」に發表。一女を擧げた。 ( 長男一は八年六月生。 ) 善治主宰の「女學雜誌」に湘煙の筆名など三月一一十六日、信行歿。病名師結核。 明治四年九月、横濱のミス・キダー (Miss で論説を發表。自宅で塾を開いた。 明治三十四年二九〇一 ) 五月二十五日午後 Kidder) の女學校 ( 五年、アイザック・フ , リス・ ふたみち 明治一一十年七月、飜案「善悪の岐」 ( リ 一時十五分歿。病名肺結核。三十九歳。法セミナーと改稱、フ = リス女學院の前身 ) に入學。 『 = ージイン・アフム』。ー八月 ) を粧園女史の名號、葆光院殿月洲湘烟大姉。遺骨は大磯大明治十五年夏フェリス和英女學校高等科を ちまた で「女學雜誌」に發表、十月、『善惡の岐』運寺に埋葬。同三十六年三月、石川榮司・ たた一人の第一回卒業生として卒業、同校 として女學雜誌瓧より刊行。九月ごろ新榮藤生てい ( 貞子 ) 編の遺稿集『湘烟日記』がの助敎となった。校長プース夫妻とともに 女學校の和漢學科主任となった。十二月、 育成會より刊行。同書には、漢詩・隨筆お函館に赴く途中で難破し、危く助かった。 保安條例により信行とともに東京を退去、 よび「一沈一浮」などが收められている。 在校中すでに胸を冒されていた。 横濱に移り、二十一年三月、禪奈川縣久良 明治十六年同校の文學會で「リヤ王」を暗 岐郡戸太町太田 ( 現在は横濱市 ) に住んだ。 誦、好評を博した。 若松賤子 明治二十一年一月から「女學雜誌」に漢詩 明治十八年ごろから同校で時習會 ( 明治二 + 一 を發表。五月ごろフェリス和英女學校名譽元治元年 ( 一八六四 ) 舊三月一日、陸前國 ( 輻年どろ文學會と改稱 ) を創始し、英詩・英文の 敎授となった。 島縣 ) 會津若松阿彌田町に生ま、れた。 ( 一一月生朗讀、英會話、英語演説などを行った。こ 明治一一十一一年二月、小説「山間の名花」 ( ー まれという説は誤り。 ) 本名、松川甲子。甲子はの年七月大川姓から松川姓に復した。この とた ほうこう えと きのえね

しのぶぐさ・ : につ記一 ( 明治二十五年一月ー二月 ) : につ記 ( 明治二十五年四月ー五月 ) : 日記しのぶぐさ ( 明治二十五年六月 ) : ・ よもぎふにつ己 ( 明治二十五年十一一 一口月ー一一十六年二月 ) よもぎふ日記 ( 明治二十六年一一月ー三月 ) : よもぎふにつ記 ( 明治二十六年三月ー四月 ) : : 一 ~ ( 六 しのぶぐさ ( 明治二十六年四月 )• : 塵の中 ( 明治二十六年七月ー八月 ) : ・ 日記ちりの中 ( 明治二十七年二月ー三月 ) : ・ : 三四 塵の中日記 ( 明治二十七年三月 ) : 塵中につ記 ( 明治二十七年三月ー五月 ) ・ : 水の上日記 ( 明治二十七年六月ー七月 ) : 水の上 ( 明治二十七年十一月 ) : ・ 水の上日記 ( 明治二十八年四月ー五月 ) : 水の上につ記 ( 明治一一十八年五月 ) : ・ みづのうへ ( 明治二十八年五月 ) : ・ 水の上 ( 明治二十八年五月ー六月 ) : ・ 水のうへ日記 ( 明治二十八年十月ー十一月 )• : : = 0 六 水のうへ ( 明治二十九年一月 ) : ・ みづの上 ( 明治二十九年二月 ) : ・ みづの上日記 ( 明治二十九年五月ー六月 ) : ・

っ記一みづのうへ 溝水紫琴 樋口一葉集 ( 明治二十八年五月 ) ( 明治ニ十五年一月ー二月 ) の鬼價 っ 1 三ロ の上 定 三宅花圃 ( 明治ニ十八年五月ー六月 ) ( 引治二十五年四月ー五月 ) 櫻 水のうへ日記の鶯 ま襷日記しのぶぐさ 明治一一十八年 ( 明治一一十五年六月 ) 小金井喜美子 十月ー十一月 うもれ木 よもぎふにつ記 水のうへ 泉 浴 月夜 明治一一十五年十一一 ( 明治一一十九年一月 ) 月ー一一十六年一一月 兄の歸朝 雪の よもぎふ日記みづの上 田澤稻舟 ( 明治二十九年二月 ) や み夜 ( 明治一一十六年二月ー三月 ) よもぎふにつ記みづの上日記 大つごもり ( 明治一一十九年五月ー六月 ) ( 明治一一十六年三月ー四月 ) 大塚楠緒子 ゅ・ ぐさみづの上日記 しのぶ うっせみ しのび音 ( 明治二十九年六月ー七月 ) ( 明治一一十六年四月 ) お百度詣 中みづの上日記 ごりえ塵の ( 明治二十九年七月 ) ( 明治一一十六年七月ー八月 ) 瀬沼夏 ~ 果 日記ちりの中 の子 ( 明治二十七年一一月ー三月 ) 己書 わか 田薄水 道塵の中日 ( 明治一一十七年三月 ) くらべ 塵中につ記 明治女流文學 われか ( 明治二十七年三月ー五月 ) 水の上日記 中島湘烟 ( 明治一一十七年六月ー七月 ) あきあはせ 烟日記抄 の上 ろごしし す ( 明治二十七年十一月 ) 詩 さをのしづ 水の上日記 若松寢子 ( 明治二十八年四月ー・五月 ) も↓ / あ しのぶぐさ水の上につ記 ( 明治二十八年五月 ) てん物語 1 三い 號室 里眼鏡 作品解説 山本健吉 樋口一葉 明治女流文學ド 和田芳惠

6 も事實である。ちなみに、大井憲太郎は篇田は十六首選ばれている。このとき、橘糸重子養父は重態、濱子はそんな有樣なので、皮相 英子と内縁關係にあり、のち、紫琴との交渉と小金井喜美子は一一首であった。 な歐化主義に毒された世相にも不滿をおぼえ を持ったらしい。この經緯を、英子は「妾の楠緖子は、「夢に似し戀やかたらふ花かげていたので、養父の歿後、多くの遺産を濱子 半生涯」の中に恨みをこめて書いている。 をふたりわけゆく影おぼろなり」「風の音に〈ゆずり、山中と結婚させた。山中は下宿の そういう體驗をしたとしては、「心の鬼」おどろかれぬるあしたより思ふ事多くなりに女主人のお貞と關係しているので、ふたりで は淺い戲作調の作品である。「めざまし草」ける哉」というような抒情的な歌風である。濱子から財産をおどしとって逐電した。その の合評で、「心の鬼」を採りあげ、 ( わるロ ) 明治二十八年、數えの二十一歳で小屋保治を年の秋、瀧野川の紅葉狩で友人宮崎の紹介で に、「紫琴は卑近なるべし。女の手より受取迎えて結婚した。大塚保治は夏目漱石と親し松島秀子を知った。秀子は毛糸編みの内職で るふみは、しら紙に限るやうなり」と冷笑さく、漱石が松山〈都落ちした原因は、楠緡子弟の葦男を育てながら、萬國史を原書で讀ん せている。西陣の糸屋町近江屋の主人庄太郞に失戀したという言い傅えもある。よい家庭だり、また、和歌をつくるような女性であ は、美しい後妻お糸を迎えたが、性來の嫉妬に育った楠絡子は、作品にいやみはないが、 る。勤と秀子の盛大な結婚式は、芝の紅葉館 に心のやすまる暇もない。ある日嵐山の花見少し、突っこみが足りない。「しのび音」なで、日本風におこなわれた。 に行き、お糸はそこでおさななじみにあった。ども、抒情詩的であり、良妻の座をまもりな「藪の鶯」の皮相な歐化主義批判のなかに政 女手の手紙が來て、内容が、その男のものとがらでも、小説を書くことができると思わせ教瓧の三宅雪嶺と結びつく萌芽をみることが 邪推した庄太郞は亂暴したあげくお糸を監禁られる。これは、明治三十八年一月の「太できる。 する。たまたま、母の死で里に歸ったお糸か陽」にのった「お百度詣」にも言えることで「藪の鶯」は、明治女流作家の新らしい出發 ら事情を知った義父は、家に引きとり、そこあって、品子の「君死に給ふことなかれ」と點とみられているが、これは風俗小説とも思 へあばれこんだ庄太郎は、ついに狂人病院に今さら較べる必要はない。 われ、近代日本文學はこのような發展を女流 おくられるが、お糸は別れきれずに看護する田邊蓮舟の娘花圃の「藪の鶯」は、「當世文學で示してゆく。「藪の鶯」の發想は、洋 という筋。新らしい文學のいぶきは、どこか書生氣質」を讀んで、これなら書けると筆を語・漢語まじりの ( イカラな女性會話などは らも感じることはできない。 執ったものだけに、當時の女學生生活を活きあっても、表現は男性作家と選ぶところがな 大塚楠緒子 ( 正しくは久壽雄 ) は、明治八年、いきと寫している。ことに、鹿鳴館の新年舞い。これは、女流作家が女性らしい表現を、 東京に生まれた。父の大塚正男は、土佐の人踏會などは風俗資料的な價値がある。 まだ、身につけていなかったからであろう。 で、名古屋、宮城、東京の各控訴院長を歴任維新に功のあった子爵通方のひとり娘篠原花圃は雪嶺夫人におさまって、自分の考えを した。 濱子は、外國かぶれの父の溺愛をよいこと小説で發想する興味を萩の舍の妹弟子樋口一 一ッ橋の高等女學校を首席で、卒業していに、學校もやめて、音樂、舞踏、觀劇に日を葉〈引き繼ぐことになった。 る。明治一一十六年のことである。在學中に竹おくっている。若い官員の山中正から、英語巖本善治と結婚したときすでに病身であっ 柏園に入り、弘綱、信綱の敎えをうけた。明を習ううち、いっしか關係をむすんだ。養子た若松賤子は、寢床から机に向うような惡條 治三十二年の「やまとにしき」に大塚楠絡子の勤がケムプリッジ留學を終え歸朝すると、件の中で仕事をした。それに、明治女學校の

松村綠「樋口一葉と安井てつ」 ( 國民之友明治二九・一 ) 無署名「中島湘烟女史善悪の岐の評」 ( 解釋昭和三四・五 ) ( 後藤 ) 宙外生「閨秀小説を讀む」 ( 女學雜誌明治二 0 ・一一 ) 柳田泉・勝本淸一郞・和田芳惠「『文學界』から ( 早稻田文學明治二九・一 ) 無署名「山間の名花」 ( 以良都女明治一三・七 ) 小此木秀郞「閨秀小説を讀む」 『明星』へー一葉・藤村・品子を中心にー」 無署名「中島湘煙女史」 ( 女學雑誌明治二九・一 ) ( 文學昭和三四・五 ) ( 郵便報知新聞明治三二・四・一六ー二九 ) 塚田滿江「美登利とおカー一葉『たけくらべ』『に脱天子 ( 幸田露件 ) ほか「三人冗語」 川田瑞穂「中島湘煙女史」 ・こりえ』」 ( 國文學昭和三四・五 ) ( めざまし草明治二九・三ー七 ) ( 中央史壇大正一 0 ・一 0 ) 塩田良平「一葉研究史」 ( 學苑昭和三四・六 ) 幸田露件ほか「雲中語」 塩田良平「中島湘煙」 ( むらさき昭和一五・六 ) 關良一「一葉の書簡逸文」 ( 解釋昭和三四・六 ) ( めざまし草明治二九・九ー三一・九 ) 本間久雄「中島湘烟ー女權主義者としてー」 近石泰秋「一葉と近松」 無署名「第一一閨秀小説」 ( 「明治文學作家論」早稻田大 ( 國語と國文學昭和三四・九 ) ( 女學雜誌明治三 0 ・ ll) 學出版部昭和二六・一〇 ) 和田芳惠「一葉日記」 篇田淸人「中島湘煙」 ( 講談倶樂部昭和三一・四 ) 森鸛外「雲中獨語」 ( 解釋と鑑賞昭和三四・一 0 ー三七・一 I) ( めざまし草明治三二 ・一、四 ) 平井恒「湘煙日記に就て」 塚田滿江「一葉とその母」 小栗風葉ほか「女流作家論」 ( 新潮明治四一・五 ) ( 纓楓新報昭和三一・九 ) ( 女子大國文昭和三四・一 9 生方敏郎「女流作家の群」 ( 文章世界大正三・一 ) 織田千鶴子・山崎黼子「中島湘煙」 豐崎卓「一葉父子の新資料」 ( 昭和女子大學「近代文學研究叢書」昭和三二・五 ) 生田花世「近代日本婦人文藝女流作家群像」 ( 解驛昭和三四・一一 l) ( 行人社昭和四・一一 ) 三若松賤子 藤井公明「樋口一葉」 ( 國文學昭和三五・三 ) 禪崎淸「明治大正の女流作家」 石丸久「北村透谷・樋口一葉の文體」 ( 改造社「日本文學講座」昭和九・四 ) 上田敏「忘れ形見を評す」 ( 無名會雑誌明治二四・ ( 國文學昭和三五・五 ) 柳田泉「女性作家七人語」 ( 傅記昭和一 0 ・一 ) 高木道子「樋口一葉の文章」 ( 女性時代瓧昭和一一 ・六 ) 紫山人ほか「小公子」 ( 女學雜誌明治二五・一 ) 相馬黒光「默移」 ( 國語國文學會誌昭和三五・一一 ) 中島とし子 ( 湘煙 ) 「小公子の評一 ( 女學離誌明治二五・一 ) 片岡良一「明治以後の女流作家」 塚田滿江「『にごりえ』に於ける『罪と罰』ー比 ( 「近代日本の作家と作品」岩波書店昭和一四・一一 ) 石橋忍月「小公子の評」 ( 女學雜誌明治二五・一 ) 較文學の間題としてー」 ( 女子大國文昭和三五・一一 ) 相馬黒光「明治初期の三女性中島湘煙若松賤子石橋忍月「『小公子』を讀みて」 松坂俊夫「一葉小説の發想ー『經つくゑ』を中心に」 淸水紫琴」 ( 國民之友明治二五・一 ) ( 厚生閣昭和一五・九 ) ( 國文學昭和三六・ 和田芳惠「一葉の母の幼名ー弘化人別帳發見からの塩田良平「明浮女流作家」 ( 靑梧堂昭和一七・七 ) ( 西村 ) 天牢囚民「『巨人石』を讀んで忍月居士が 『小公子の批評』に及ぶ」 ( 文學散歩昭和三六・三 ) 今井邦子編「日本女流文學評論」 ( 女學雜誌明治二五・二 ) ( 塩田良平「三宅花」、湯地孝「一葉新 蒲生芳郎「『一葉日記』試論」 論」、柳田泉「若松賤子」、吉田精一「大塚無署名「時報明治女學校の類燒、及び最本 ( 文芸研究昭和三六・三 ) ( 女學雜誌明治二九・二 ) 嘉志子の死去」 楠絡」など明日香書房昭和二二・八 ) 考近石泰秋「樋口一葉と古典」 川合道雄「川合山月と明治の文學者逹」 湯谷紫苑「鳴呼若松賤子君」 ( 太陽明治二九・三 ) ( 國文學昭和三七・六 ) ( 基督心宗敎團事務局出版部昭和二九・五 ) 櫻井鷓村「若松賤子君を憶ふ」 學北畠八穂「樋口一葉」ー『複雜な客相』の若い一 ( 解釋と鑑賞昭和三七・九 ) 平塚らいてう「わたくしの歩いた道」 ( 太陽明治一一九・三 ) 流葉ー」 女 ( 新論瓧昭和三 0 ・三 ) 「巖本かし夫人追悼號」 佐佐木信綱「明治大正昭和の人々」 (The Japan EvangeIist 明治二九・四 ) 明治女流文學 ( 「樋口一葉」「三宅花圃」「中島湘煙」「大森田文蔵「小公子の飜譯者若松賤子君」 塚楠緒子」など新樹瓧昭和三六・一 ) 一明治女流作家 ( 女學雑誌明治二九・五 ) 5 鹽見愛邨「若松賤子君を思ひ出でて」 4 一一中島湘煙 ( 宮じ八面樓主人「『閨秀小説』を讀みて」 ( 女學雜誌明治二九・一 0 ) 考察ー」

イイ 6 巖本善治「撫象座談若松賤子のこと」 ( 中央公論社昭和三一・一〇 ) 佐佐木信綱「大塚楠緒子女史の追憶」 ( 明日香昭和一一 ・一一 l) 塩田良平「三宅花圃」 ( 女學世界明治四三・一 ( 明治書院「現代文學講座」昭和三六・七 ) 德田 ( 近松 ) 秋江「大塚楠絡子女史を悼む」 中野博子「母のおもかげ」 ( 早稻田文學明治四三・一 ( 「若松眦子集」富山房昭和一三・五 ) 六小金井喜美子 「大塚楠子ぬしを憶ふ ( 特輯 ) 」 塩田良平「若松賤子と敎化文學」 ドクトル・ストーン・プリッヂ ( 石橋忍月 ) 「閨秀の ( 心の花明治四三・一一 l) ( 敎育・國語敎育昭和一三・七 ) ( 國民之友明治二三 ・一 I) 相馬良子 ( 黒光 ) 「亡友大塚楠緖子女史の俤」 高田瑞穗「若松子」 ( 解釋と鑑賞昭和二三・五 ) ( 昭和書房昭和九・七 ( 婦人畫報明治四三・一二 ) 森潤三郞「鸛外森林太郎」 中村忠行「若松賤子と英米文學」 改訂坿補版は森北書店昭和一七・四 ) 德田秋江「大塚楠緒子女史を悼む」 ( 「近代文藝の研究」北星堂昭和三一・ ( 女子文壇明治四三・一 ll) 森於菟「逝ける小金井喜美子と『於母影』」 宇南山順子・湯田純江「若松隆子」 ( 日本古書通信昭和三一 ・一 D 峯百合子「大塚女史の追懷」 ( 「近代文學研究叢書」昭和三一・四 ) ( 女學世界明治四三・ 七田澤稻舟 北村三世子「若松賤子研究」 佐佐木信綱「大塚楠子夫人」 ( 日本文學昭和三一・ ( 「明治文學の片影」中央公論瓧昭和九・一〇 ) 謫天情仙 ( 野口寧齋 ) ・「稻華 ( 舟の誤り ) 女史」 巖本莊民「若松賤子のことなど」 ( 太陽明治二九・八 ) 柳田泉「物故文人獨談義」 ( 傳記昭和九・一一 ) ( 詩界昭和三四・ (l) 僞 ( 關 ) 如來「田澤稻舟」 ( 智徳會雜誌明治二九・八 ) 花邨芳江「『空灯』の作者 ( 大塚楠緒子 ) を悼む」 鈴木一一三雄「若松賤子と『女學雜誌』曰」 ( 書物展望昭和一三・九 ) 謫天情仙「稻舟女史の殘怨日高夜嵐」 ( ノラリス論叢昭和三五・一〇 ) ( 太陽明治二九 ・二 ) 塩田良平「大塚楠子」 ( むらさき昭和一四・一一 ) 古川佐壽馬編「若松賤子」 塩田良平「稻舟鏡花録について」 ( 會津文化を語る會昭和三七・八 ) ( 文學昭和九・一 ) 瀧澤典子・河合洋子・輻田宏子「大塚楠緒子」 ( 「近代文學研究叢書」昭和三四・一 ) 長谷川時雨「田澤稻舟」 四淸水紫琴 ( 東京朝日新聞昭和一二・ 四 ) 九瀬沼夏葉 塩田良平「山田美妙研究」 ( 宮崎 ) 八面樓主人「紫琴女作『當世一一人娘』」 ( 人文書院昭和一三・五 ) 犀花生「櫻の園の飜譯を讀みて」 ( 讀賣新聞大正二・五・一八 ) ( 國民之友明治三〇・三 ) 紳崎淸「山田美妙と田澤稻舟」 ( 昭和一四・九 ) ( 角田 ) 浩々歌客「紫琴女史作『葛のうら葉』」 ( 「近代日本靑春史」書物展望瓧昭和一六・七 ) 昇曙夢譯「六人集と毒の園」 中田チャ子・蕪木篇江・林八重子「瀬沼夏葉」 ( 國民之友明治三〇・五 ) 池田伊三郎「田澤稻舟について」 ( 「近代文學研究最書」昭和三五・六 ) 安藤圓秀編「古在由直博士」 ( 鄕土昭和二三・ ( 古在博士傳記編纂會昭和一三 ・六 ) 塩田良平「一葉と稻舟」 ( 文藝廣場昭和三〇・五 ) 一〇北田薄氷 谷地玲子「田澤稻舟」 五三宅花圃 なか誰袖「『淺ましの姿』を讀みて」 ( 「近代文學研究叢書」昭和三一・ C 文藝倶樂部明治二八・四 ) 石橋忍月「藪鶯の細評」 ( 國民之友明治一三・七 ) 佐竹籌彦「田澤稻舟論」 ( 學大國文昭和三五・二 ) 戸澤俊二「北田薄氷ー主として封建遺制に對する態 ( 明治文學研究昭和九・一 ) 度についてー」 小島烏水「花圃女史の作」 ( 文庫明治二九・三 ) 八大塚楠子 久松潜一「北田薄氷」 ( 季刊明治文學昭和九・三 ) 無署名 ( 田岡嶺雲 ) 「花圃と一葉」 覆面論士「今古人物競大塚楠子・樋口一葉」 ( 亠円年文明治一一九・六 ) ( 讀賣新聞明治三七・ ~ ー一一三 ) 小林榮子 ( 田中タ風 ) 「紅葉追憶 ( 附・薄水女史のこと ) 」 ( 明治大正文學研究昭和二五・五 ) 無署名 ( 田岡嶺雲 ) 「再び花圃と一葉」 松本信夫「三十七年の『心の花』誌上における 飯塚敏子・谷地玲子「北田薄氷」 ( 心の花明治三八・一 ) ( 青年文明治二九・八 ) 女作家」 ( 「近代文學研究叢書」昭和三一・九 ) 今井邦子「花圃と一葉」 磯のや「未明氏の作物と楠絡子女史の作物」 伊狩章「北田薄氷」 ( ホームフィノ昭和一一・ ( 中央公論明治四〇・八 ) ( 明治大正文學研究昭和三一・一 0 ) 塩田良平「三宅花圃」 ( むらさき昭和一五・八ー九 ) 峯百合子「大塚楠絡子女史の追憶」 編集關良一 ( 女學世界明治四三・一 塩田良平「樋口一葉研究」

明治一一十八年三月、由直、ドイツ留學を命 明治十九年明治女學校に入學、英語を學び 8 書道を敎授したが、まもなく退學。東京高 ぜられ、ベルギーに約一か年滯留ののち、三宅花圃 ドイツに赴いた。トヨはその間由正を件い、 等女學校 ( お茶の水の前身 ) 專修科に入學。 京都郊外花園で姑良子に侍した。十一月、明治元年 ( 一八六八 ) 舊十二月二十三日、東明治一一十一年六月、春の屋主人 ( 坪内逍き たっ 「花園隨筆」 ( ー三十三年二月 ) を古在豐子の 京本所番場に生まれた。本名田邊龍子。通の校閹を得て、花圃女史の名で小説『蘋の 名で「女學雜誌」「太陽」に繼續發表。 稱、たっ子。のち三宅姓。筆名、ひさご、 鶯』 ( 草稿では「籔の鶯しを金港堂より刊行。 むしやくしゃちゃちゃこ きみこ 明治二十九年十月、小説「野路の菊」 ( ー三夢借舍丁々子。父太一、母己巳子の長女、明治一一十一一年女學校を卒業。 + 一年一月 ) を紫琴女の名で「女學雜誌」に第三子。田邊家は代々與力で、太一は號、明治一一十三年一月、小説「蘆の一ふし」を 發表。 蓮舟、漢學・漢詩文をよくし、學間所敎授「女學雜誌」、三月から同「八重櫻」を「都 明治三十年一月、小説「心の鬼」を「文藝方出役などを經て外國奉行支配下組頭としの花」、四月、同「敎草おだまき物語」を そなれまっ 倶樂部」、一一月、同「磯馴松」 ( ー三月 ) を「女て、文久三年十一月渡歐、慶應一一年十月渡「讀賣新聞」に發表。 學雜誌、「三月、同「當世二人娘」を「世界之佛、この年目付役を退いていた。 明治一一十五年三月、短編集『みだれ咲』を 日本」、五月、同「葛の裏」を「文藝倶樂明治二年太一、外務省少丞となり、同四年夢借舍丁々子の名で春陽堂より刊行。八月、 ともみ 部」、七月、同「今様夫婦」 ( ー八月 ) を十月岩倉具視に隨行して歐米を巡遊、同七 小説「こぞのつみ」を「都の花」に發表。 「女學雜誌」に發表。 年外務大丞となり、同年十月、大久保利通十一月、三宅雪嶺 ( 名、雄二郞、政敎瓧同人、「日 明治一二十一年二月、小説「したゆく水」をらに隨行して淸國に赴いた。 本人」主宰 ) と結婚。同二十六年一月創刊の 「文藝倶樂部」に發表。 明治八年跡見花蹊の塾に入り、明治十三年「文學界」に關與、樋口一葉をその筆者と 明治三十二年八月、小説「移民學園」を寸で書道その他を修めた。花圃の號は花蹊して推薦した。 「文藝倶樂部」に發表。 に因んたもの。 明治二十六年三月、小説「片うづら」を 明治三十三年七月、山直イギリス、アメ明治十年ごろから伊東祐命に國學・和歌を學「都の花」十一月、評傅「山の井勾當」を リカを經由し、豫定より約二か年遲れて歸び、伊東の縁で中島歌子の萩の舍塾に人っ「文學界」に發表。 國、東京帝國大學農科大學敎授となった。 た。また柴田權之進に漢學を學び、山勢松明治一一十七年二月、正式に家門を開いた。 明治三十四年五月、次男由重、三十六年九韻に琴、杵屋ろくに三味線を學んだ。この明治二十八年二月、小説「露のよすが」を 月、三男由良、三十七年十二月、長女靜子、年太一は大書記官になり、つづいて元老院「太陽」、十二月、同「萩桔梗」を「文藝倶 四十四年七月、四男由信が生まれた。 議官となり、のち退いて錦鷄間祗候となっ樂部」に發表。 大正九年九月、由直東京帝國大學總長となた。龍子は同十一一、三年ごろ小説「五人女」明治一一十九年八月、小説「空行月」を「國 り、昭和三年十二月退官。 ( 未發表 ) を執筆。 民之友」、隨筆「梅雨」を「智德會雜誌」 昭和八年 ( 一九三三 ) 七月三十一日午前五時明治十五年櫻井女學校 ( 女子學院の前身 ) に入に發表。 五十八分歿。病名腦溢血。六十六歳。 學、まもなく退學。 明治三十一年九月、飜案「蛇物語」を「文

發表。 藝倶樂部」に發表。 とともに上京、向島に住んた。 明治三十四年十一月、『もとのしづく』 ( 野村明治十三年一家とともに千住北組に轉居。明治二十六年一月、長女田鶴が生まれた。 げんちょう 明治十五年この年ごろ佐藤應渠 ( 名、元萇 ) に明治一一十八年十二月、同「名譽夫人」 ( ヒ 望東尼傳 ) 、同續編を金港堂より刊行。 ンデルマン。「かげ草』の目次には「名譽婦人」とある。 ) 明治三十六年一月、小説「玉すだれ」を漢學、關澄桂子 ( 名、泰子、號、桐の舍 ) および 「婦人界」に發表。 その師橘東世子 ( この年 3 に書道、輻羽美を「文藝倶樂部」に發表。 明治二十九年一月、次女精が生まれた。同 明治三十八年七月、小説「かゞり火」を靜に和歌を學んだ。 「婦人畫報」に發表。 明治一一十一年東京女子師範學校附屬女學校月、鵰外主宰の雜誌「めざまし草」創刊。 よしきょ 明治四十二年四月、歌文集『花の趣味』を ( お茶の水の前身 ) を卒業。四月小金井良精七月、飜譯「あつまや」 ( ヒルデック ) を同誌、 ( 東京帝國大學教授・人類學者 ) と結婚。九月兄林八月、飜案「指くひたる女」 ( レイモンド ) を 杉本梁江堂より刊行。 「智德會雜誌」に發表。 大正三年一月、隨筆集『その日その日』を太郞 ( 號、外 ) ドイツより歸國。 東京瓧より刊行。 明治二十二年二月、飜譯「星」 ( ドオデ ) を「日明治一二十年一月、飜譯「心づくし」 ( パフフ・ ( ン ) 大正九年九月より昭和十三年二月まで「女本之女學」 ( 三月「やまと錦」に再掲 ) 、四月、同を「文藝倶樂部」に發表。五月、飜譯・隨 性日本人」に多くの随想を發表。 「黒き王 9 フィリヒラアト『かげ蕚には「くろき王」 ) 筆集『かげ草』が森林太郎著として春陽堂 より刊行、喜美子の飜譯その他十九編所收。 昭和十三年七月より十四年にかけて「我を「やまと錦」に發表。 ( 右の二編はアンデルセン さんし 原作の「王宮」他三編と合わせ「かげ草」の題で二十三明治三十二年七月、次男三二が生まれた。 觀」に隨想を發表。 年 + 二月「しがらみ草紙」に再掲。 ) この年、鸛外が明治四十三年五月、小説「子の病」、六月、 昭和十八年 ( 一九四三 ) 七月十八日、老袞の 主宰し、落合直文・井上通泰・市村墳次郞同「春の一日」を「ス・ハル」、十二月、同 ため歿。七十六歳。 らが參加した新聲社に加わり、八月、共譯「借家」を「中央公論」に發表。 詩集「於母影」を「國民之友」に發表。明治四十四年一月、小説「叔父の家」を 小金井喜美子 ( 二十五年七月春陽堂刊行の『美奈和集』所收 ) 長男良「大阪朝日新聞」、七月、同「逆境」を「讀 明治一二年 ( 一八七〇 ) 舊十一月二十九日、石一が生まれた。十月、鷓外主宰の雜誌「し賣新聞」に發表。 あざ かのあし 見國 ( 島根県 ) 鹿足郡津和野字横堀に生まれがらみ草紙」創刊、飜譯「あやしき少女」明治四十四年一月、小説「千住の家」を 「スパル」、十月、小説「太鼓の音」を「靑 ( ー十二月 ) を同誌に發表。 た。 ( 明治四年一月二十九日生まれ説は誤りであろう。 ) 年 本名、森キミ。通稱、きみ・君・喜美・君明治二十三年一月、飜譯「皮一重」 ( 聊齋志鞜」に發表。 蟻子・喜美子。のち小金井姓。父靜男、母峰異 ) 、三月、同「人肉」 ( 石點頭。ー七月 ) を、七大正十一年七月、兄鷓外歿。 明子の長女、第三子。森家は代々津和野藩の月、綠堂野史との共譯「新學士」 ( ( イゼ。ー一一昭和五年四月、「不忘記」を「冬柏」に發表。 十五年八月 ) 發表。 昭和八年三月、「森茉莉・森於菟に」 ( ー + 月 ) 典醫で、靜男 ( 前名、靜泰 ) は吉次氏より出て 明治一一十五年十月、飜譯「浴泉記」 ( レルモンを「冬柏」に發表。 森氏をついだ。 トフ。 ー二 + 七年六月 ) を「しがらみ草紙」に昭和九年七月、「兄君の最後」を「浪曼古 明治六年六月、祖母淸子、母、次兄篤次郎