調子 - みる会図書館


検索対象: 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで
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1. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

話し方のコッ そうすると、ずっと気持ちが落ちつくそうです。そうしたら、おもむろに、ロをひらく。これ で調子がきまります。あがらなくてすむのです。 ゆっくりした調子で、どちらかというと、声をおさえて話したほうがよいでしよう。聞く人の 心によくしみます。 よく早ロの人のほうが内容をたくさん伝えるように考えがちですが、逆です。ゆっくりしゃべ ったほうがたくさんのことを言えるのです。とにかく、ゆっくり、ゆっくり。これが話すコツで す。それを教えてくれるところがないのは困ったことです。 さいわいに、ゆっくりすべり出しても、途中で調子の速くなることがないとは言えません。そ うなったら、もう一度目でを書いてみます。あるいは、水を飲みます。そうすると調子を落と すことができます。 だっと 話は終わりもまたゆっくり終わらないといけません。脱兎のごとく、という終わり方では、印 象がうすくなります。余韻が乏しい。よくことばを選んで、思いきって、ゆっくり結びます。 ことばは、ゆっくり話されると、情緒的に豊かさを増します。始めにおとらず、終わりをゆっ くりします。停車するクルマはスピードを落とすにきまっています。 よいん -0

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思うからです。 小学校は女の先生がふえました。教室も生徒がわいわいやっていてうるさい。普通の話し方で はいけないでしよう。大声をはりあげます。 「みなさんはア、これからア、国語のオ、テストでエーす」 といったように、区切りのところに力を入れて、ちょっと尻上がりに言う調子をク発明々しま した。 子どもたちも先生のおっしやることはやはり、よく聞くらしい。またたくまに、これがひろま 「ボクはア、〇〇〇でエーす」 とやるようになりました。もともと日本語は語尾を小さく発音する傾向がつよかっただけに、 ざんしん この新調子ははなはだ斬新でした。多くの人が耳ざわりだと思いました。そうも言いましたし かし、そんなことにおかまいなしに、この口調が一般的になってしまい、若い世代ではほとんど 声異和感はなくなったでしよう。 大 の ことばはデモクラシーです。はじめはどんなに変なと言われようと、多くの人が使うようにな 女 れば、それで〃正しい 4 とされます。さらにそれが普通になれば、やがて、〃美しい第と感じる し や人すらあらわれないという保証はありません。 っ 調子はそうです。ただし、大声はすこし事情が違うのではないでしようか。

3. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

「お顔の色がすぐれませんが、お元気ですか、といったことをあいさつがわりにする奴がいる。 本当に気分がすぐれなくなってしまう。こういう人間は友としたくないね」 「わかりました。お元気そうですね、と言われたいお気持ち」 「若い人たちだって同じだと思うよ」 「そうでしようかしら」 「からだの調子がよくない。お医者へ行く。往きは、何か悪い病気にでもかかったのではないか、 と思うから、足どりも重く、 いかにも病人然としている。それが診察を受けて、病気なし薬な し、などと言われると、急に力がわいてくるような気がするでしよう 「帰りの道は飛ぶように歩いたりして : : : そういうことわたくしにもありました。病は気から、 といいますけど、気のもちょうで、ずいぶんからだの調子も変わってくるんですね」 「だから、年寄りに、お元気ですか、などという疑問文を提出しないでほしいのだ」 「お年寄りみたいなことをおっしゃいますけど、まだ、お若いじゃありませんか。おかしいです わ、年寄りじみたことおっしやったりしては」 「とにかく、相手がひそかに気にしていることを口にしてはいかんね」 「コン。フレックスにふれるなということでしよう ? 」 「劣等感を刺激しないことだ」 「相手からみればなんでもないことが、実に、こたえるっていうことがありますわね」 やまい

4. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

「それでサ、きのうネ、神田へ行ったらサ、だれと出会ったと思う ? : といった合いの手を入れると、耳ざわりです。そればかりでなく、ムダな息を使ってもったい ない。疲れもひどくなります。 ゅ . っ ~ 、、り・、刀ししし 、と、っても、あまり極端にのろいと、聞いている人がじりじりします。話して かんきゅう いる人は楽でも相手がたまりません。こういう話し方もいけません。適度に緩急を自在にするの が話し方のコツ。 オックスフォード大学に名講義で評判の教授がいます。その話しぶりはひとしきり速いテンポ でしゃべると、ちょっとゆっくりになります。また速度を速めます。そしてまたゆっくりする。 こうして緩急をおりまぜるようにするのだそうです。聞いている学生はその調子に完全に魅了さ れてしまいます。 昔から、芸ごとでは「間」ということをやかましくいいました。演劇では、せりふとせりふの あいだの沈黙の時間が「間」です。いい調子といわれる人はその間のとり方がうまいのです。 じようま 方 ことにおもしろさを出すときには間がものをいいます。普通のポーズである「定間」のほか はんま のに、「半間」というものをうまくまじえると、理屈では説明できないおもしろ味が出ます。喜劇 墹役者、藤山寛美はこの半間の名人だといわれます。 話し方にリズムがほしい。 切 大 日本語、ことに、明治以後の話すことばにはリズムが乏しい。やはり間の感覚があやふやなの -0

5. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

反対に、今度こちらから右のほうへ風を送れば、相手がそれになびいてくれる。こうして、互い 2 に調子を合わせる必要があるのです。 ところが、調子を合わせないでがんばる人がいます。自分はこう信じる、だから、ほかの人が なんと言おうとわたしはこうです、絶対にそれは許しませんとか、断じてこうです、というよう なことを言うのは、潔癖家です。女の人は潔癖ですから、かりに冗談を相手が言ったとすると、 冗談ならば冗談として受けることが必要なのですが、真に受けて、不愉快ですとか、わたしはそ ういうことはきらいです、とか言って、自分のポジションを絶対変えない人がいるわけです。こ れではたのしい話をする資格がないといっていいと思います。 風向きに合わせることも : かざみどり 話をする場合には、風見鶏になる必要があります。風見鶏というのは、鶏が風の方向にクルク ルまわるのです。そういうニックネームをもらった政治家もいるようですが、一般的に風見鶏と いうのは、節操のない人のことをいうのです。しかし、日常の人間同士で話をするときは、なる べく風見鶏のようになって、相手の吹かしている風のほうに向かなければだめだと思います。 子どものすくない家庭で育った人や、ひとりつ子は柔軟でないようです。 トシをとってくると自己主張がつよくなる人がいます。仕事の上であまり自己主張ができない から、外では遠慮している。そういう人にかぎって、家族のあいだや親しい人とのあいだでは、 けっぺき

6. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

そういう人の話しているのを見ると、かならず、といってよいほど、調子が速すぎます。速く しゃべろうとするから、言い違えができます。ことばがうまく出てこないから、妙なことばが飛 び出します。あツ、いけない、と思うとよけいあわてます。いっそうあがります。ますますミス が多くなり、これがさらに調子をくるわせるのです。こうなると、話そうと思っていたことなど どこかへ飛んでいってしまいます。プレーキのこわれたクルマそっくりです。本人は完全に自分 のコントロールを失っています。何を話しているのか、自分でもわかりません。他人にわかった ら、そのほうがおかしいでしよう。 やはり、ダメだわ、ということになります。そのかぎりでは、、かにもダメです。それは話し 方がへたなのではなく、かけ出しがいけないのです。。ヒッチが速すぎます。思いきってゆっくり します。 高い壇へあがるとよけい、あがります。〃あがる 4 とはそこから出てきたことばかもしれませ ん。高い演壇にあがったら、ひと呼吸がよろしい。そして、聴衆をひとわたりながめます。 場数をふんだ人の言うところによると、視線を ( ゼット ) 型に走らせるとよいそうです。ま ず、左いちばん奥を見る。ついで右奥へ視線を移す。こんどは対角線を左前へもってきて、その まま右へ移す。そして、そこからさいごに、はじめの左奥へもっていきます。こうすると、全体 を眼中に置くことができます。それもゆっくりする必要があります。五秒か十秒あれば、が書 けます。 5

7. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

断定は押しつけに通ずる 日本人はことばの当たりを、なるべくやわらかにしようと思っています。そのために意味がは つきりしないことがあっても、それには目をつなります。論理的でないと言われても平気です。 意味をはっきりさせ、論理の筋道をとおしたところで、相手の気持ちをそこねてはなんにもな りません。電話をかけるときも、 「もし、もし、こちらはカトウです。サトウさんいらっしゃいますか」 というのでは、調子がつよすぎます。 「もし、もし、こちらはカトウですが : : : サトウさんいらっしゃいましたら : すでしようか」 というようにことばを切らないようにしないと、おもしろくないと感じる人がいます。 わかれば いい、のではなく、わかりすぎては失礼になります。適当にポケているのが奥ゆかし いのです。 ソフトな話し方 いらっしゃいま れ 4

8. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

言われるより、ずっとマシだと思うけどな」 「わたしに言わせれば、鈍感と言われるのもおもしろくないけど、ただごとではない顔色をして いると言われるほうがずっといやだわね」 「わかんないな」 「みんな、からだのこと気にしてるからよ」 「だから、注意してあげたら、感謝されていいじゃない」 「たいして調子が悪いと思っていないときに、他人から顔色が悪いけど、どうした、なんて言わ れたら、そのトタンに気分が悪くなってしまう」 「気のせいだよ、そんなの」 「その気をおこさせるのがいけない」 「ことばはただのことば。気にするからいけない」 「そうではないわ」 「ことばにとらわれているんだ、姉さんは」 「わたしだけではない。みんなそうよ。そうでなかったら人間でないかもしれない」 「これはひどいことになった。ぼくなんかスレスレのところで人間というわけか」 「もし、実ちゃんのお友だち三人が、別々に、ときどき、〃君ってダメな人間だね〃というよう なことを言うとするとね、そのうちにあなた、本当に、オレ、ダメな人間かもしれないと思い出

9. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

すから : : : 」 「よせやー んか」 ピグマリオン効果 「こういうこと知ってて ? 」 「どういうこと」 「学校で一クラスをとの二つのグルー。フに分ける。テストをしてネ、グルー。フには採点し た答案を返すの。のグル 1 プの答案を見ないで先生が、ひとりずつ生徒を呼んで、〃このあい だのテスト、君はよくできていた。この調子でやりたまえみと言う。こういうことを数回繰り返 す。そのあとでテストして、のグルー。フも採点してみる。おどろくなかれ、グループより、 平均して成績がいいのよ」 「まさか」 れ「ところが、そうなんだからおどろくでしよう。これビグマリオン効果っていう名前までちゃん け いとついてるのよ」 て「そうか。ふしぎだね」 「全く根拠なくほめたのに、よくできるようになる。これこそウソから出たマコトというのでし そんな暗示にかかるものか。だれがなんと言おうと、ビクともしないね、ボクな

10. 聡明な女の話し方 会話がぐんとうまくなる方法 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで

「うん」 「その気はクことばからなのよ。だから、ク病はことばから〃っていう理屈になるんじゃない かしら」 「いっかぼくお医者にかかったとき、往きは、悪い病気になったのかもしれないと思って、トボ トボと歩いた。ところが、見てもらったら、病気なし、薬なし、と言われた。とたんに体中にカ がわいてきたような感じで、帰りは走りたいくらいだったものね。気分の影響って大きいな」 「その病気なし、薬なし、ということばでちょっとくらいの病気は吹き飛ばせてしまうんだワ」 「そうかもしれないね」 「だから、気になることを、ひとに言うものじゃないワ」 、お顔色をなさっていますね、てなこと言うの ? 」 「じゃ、顔色が悪くても、いし 「そんなことしなさいって言ってるんじゃないワ。元気 ? と言って聞く」 「どうも、すこしからだの調子がおかしいらしい、と答えたとする。そうしたら、〃道理で土色 の顔してると言ってもいい ? 」 「ハカね。そんなこと言ったら、寝こんでしまうかもしれなくってよ」 「じゃ、なんて言えばいいんだ」 「クそう ? そんなには見えませんけどねなとかなんとか言っておく : : : 」 「じやウソつくのかい」