キワ キイチゴ上から , モミジイチゴ , カジ イチゴ , クサイチゴ 表皮でおおわれるなど乾燥に耐え得る 構造を示す。日本からもかなり産する。 キキョウ ( 桔梗 ) 日本全上 , 東アジ アの日当りのよい山野の草地にはえる キキョウ科の多年草。茎は直立し高さ ~ 1 気折ると白汁が出る。葉の裏 は白っぱい。夏 ~ 秋 , 鐘形で , 先の 5 裂した青紫色の花を開く。二重咲 , 白 花など園芸品種も多い。ゴボウ状の太 い根を桔梗根といい , 去痰剤とする。 キキョウナデシコ→フロックス キク ( 菊 ) キク科の植物中 , 普通は , 花冠の中心に管状花があり , その周囲 に舌状花のあるものをキクと呼ぶが , ノコンギク , アズマギク , ミズギク , サワギク , ウサギギクなどはみな所属 が違い , 植物学上のキクはキク属 Chry - santhemum のものをさす。 一般に観賞用として栽培するキクは 頭状花の大小 , 舌状花の形や色などさ まざまであるが , 分類学上は 1 種類で イエギクといわれる。イエギクの由来 については諸説があるが , 北村四郎に よれば中国に自生するチョウセンノギ クとシマカンギクとの交配したものが 長い間栽培されてでき , それが日本に 渡来したという。キクの栽培は江戸時 代に発達し多くの品種がっくられ , 明 治以降さらに発展した。イエギクの分 類は , 普通はます頭状花の大きさによ り大菊 , 中菊 , 小菊に , さらに舌状花 の形質や姿勢により細かく分けられる。 大菊は頭状花の径 2 ン内外のもの。厚 物 , 管物 , 広物に分ける。厚物は舌状 花が四方から中心をかかえるように組 み合い満開時には半球状に盛り上がる もので , 外側の弁の姿により咲 , 抱蹙、咲 , 走り付きなどに分ける。管物 は舌状花が管状になり , 太さにより太 管 , 間管きだ , 細管に分ける。広物は舌 状花が扁平幅広のもので , 一重のもの を一文字 , 三重から四重のものを美濃 菊という。中菊は頭状花の径 10 内外 のもので , 舌状花は平弁 , 管弁 , さじ 弁 ( 管弁の先が平弁になる ) の 3 種にな る。一重で平弁または管弁が車状に平 103
ストレプト み虫によって散布される。無毒。同類 に黄色のキイロスッポンタケがある。 ステップ大陸温帯の半乾燥気候下 に発達する草原地帯。湿潤な森林地帯 と砂漠との中間帯。植生はたけの短い 草を主とし , 春の雨で繁茂し , 夏の乾 季に枯死する。本来はヨーロッパロシ ア南部・シベリア南部・ドナウ川下流 地域等に広大な分市を示す草原の名 称だが , 世界的には , また広義には米 国のプレーリー ( ロッキー山脈東麓よ りミシガン湖にかけて分布する草原地 帯 ) , アルゼンチンのパンバス ( ラブラ タ川をはさむ草原地帯 ) などもステッ プに含まれる。 ステルンベルギア和名キバナタマ スダレ。欧州 , アジアの地中海沿岸 原産のヒガンバナ科の多年草。西洋 ナシ形の球根から 30 ほどの長さのひ も状の葉を数本出す。花は葉と同じこ ろ , ふつう 1 球から 1 花出て 9 ~ 10 月 に咲く。径約 4 享ンの黄色花でクロッカ スに似る。 7 月に分球移植。鉢植 , ロ ックガーデンに向く。 ストケシアルリギクとも。北米南 東部原産のキク科の宿根草。高さ 30 ~ 6 ンになり , 7 ~ 10 月 , 径 10 享ンほどの 頭状花を開く。縁辺の舌状花は中心部 のものよりも大きく , 深く 5 裂。花色 は原種では青紫色だが , 白・淡紅・淡 黄色の改良種もある。耐寒性強く , 秋 まきすると夏以後花が見られる。切 花 , 花壇用に栽培。 ストックアラセイトウとも。地中 海沿岸原産のアプラナ科の宿根草だが , 栽培上は一 二年草として扱われてい る。茎葉は灰白色を帯び , 高さ 30 ~ 75 になり , 総状花序をつける。本来は 十字花だが , 重弁花の品種が多く , 芳 香あり , 花色は赤紫・淡紅・自・淡黄 等。冬の切花用に暖地や温室で夏種子 をまくが , 春咲は秋まきとする。 ストレプトカルバス南アフリカ原 産のイワタバコ科の *Streptocarpus で , 数種が観賞用に温室で栽培される。 ストック左は一重咲種 , 谷は重弁種の ふつう茎はなく毛が多い。 S. ウェンド プノレノ、 ス 211
ヨシノシス ライムギ 対の切れこみがあり , 舌状花が淡紫色 長さ 5 ン内外 , ざらっく。 8 ~ 10 月茎 頂に大形の円錐花序を出し , 多数の小 を帯びた白色となる。 穂をつける。小穂は 2 ~ 4 小花からな ヨモギカズザキョモギとも。キク り , 小花の基部には長い白毛がある。 科の多年草。本州 ~ 九州 , 東アジアの 温 ~ 暖帯の山野にはえる。茎は多く分 若芽は食べられ , 茎はすのこ , よしす 枝し , 高さ 50 ~ 1 , 葉は互生し , 楕 などとされ , 根は薬用とされる。 円形で羽状に裂け , 下面には灰自色の ヨシノシズカ→ヒトリシズカ 毛がある。 8 ~ 10 月 , 複総状花序を出 ョッパシオガマ→シオガマギク し , 多数の頭花をつける。頭花には舌 ヨメナキク科の多年草。本州 ~ 九 州の山野にはえる。茎は上部で分枝し , 状花がなく雌花は周辺部にあり , やや 高さ 60 ~ 12 ン。葉は皮針形でやや厚 糸状 , 両性花は中心部にあり筒状とな く , 縁にはあらい鋸リがある。 7 ~ る。両小花ともに実を結ぶ。川岸や海 10 月 , 枝先に紫色の舌状花と黄色の筒 岸の砂地に多いカワラョモギは葉が 2 状花からなる頭花を開く。果実は長さ 回羽状に裂け , 裂片は細く管状。白綿 約 3 ミリで短い冠毛がある。若芽は赤み 毛のある根出葉は花時には枯れる。若 があり , 食べられる。近畿地方以北に 葉を餅をに人れて草餅を作り , 葉裏の綿 はえるユウガギクは葉が薄く , 3 ~ 4 毛をもぐさとする。日当りのよい山地 ヨメナ右は ュウガギク 410
キワイモ なお菊は古来 , 紋章にも用いられる。 皇室の紋章となったのは鎌倉期以後で , 1869 年皇族以外での菊花紋の使用が禁 止され , 天皇家は 16 花弁八重菊 , 皇族 は 14 花弁裏菊と定められた。 キクイモキク科の多年草。北米原 産の帰化植物で , 塊茎をとるため栽培 されるが , 各地に野生化もしている。 高さ 1 ~ 2 。葉は茎の下部では対生 , 上部では互生する。 9 ~ 11 月 , 舌状花 と筒状花からなる黄色の頭花を開く。 肥大した塊茎はイヌリンを含み , 果糖 , アルコール製造の原料にされる。 キクザキイチゲ→イチリンソウ キクヂシャ→ェンダイプ キクナ→シュンギク キクニガナ→チコリー キクモ本州 ~ 九州 , 東アジアの沼 や水田などの浅い水の中にはえるゴマ キケマン ノハグサ科の多年草。地下茎は泥中を 開するものを肥後菊 , 平弁が中心を囲 はい , 茎は長さ 10 ~ 30 。葉は 5 み立つものを嵯峨菊 , 多数の平弁が中 枚輪生し , 水上の葉はキクの葉に似て 心を囲み乱れ咲き , 周囲の弁がたれる 裂片が細く , 水中のものはさらに細く ものを伊勢菊という。小菊は径 5 まン以 糸状に裂ける。夏 ~ 秋 , 葉腋に紅紫色 下のもので , 平弁 , 管弁 , さじ弁が一 の唇形花をつける。 キクラゲ ( 木耳 ) 世界中に分布する 重から八重になる。特殊のものに魚子 キクラゲ科のキノコ。夏 ~ 秋 , 広葉樹 咲やアザミ咲などがある。以上は和 菊であるが , その一品種であるリョウ の枯木 , 倒木上に群生。体は人の耳た リギクは黄色の舌状花を食用にするた ぶ状で径数享ン , 薄く寒天質で , かわく と軟骨質となる。上面には微細毛を密 め , 東北地方でおもに栽培されている。 また中国から欧州に渡り , そこで観賞 生し , 下面は平滑で担子胞子をつけ , かわくと黒色になる。近縁種も多く , 用として発達したものを洋菊といい , いろいろな園芸名で呼ばれている。 いすれも食用となる。 日本に野生するキク属は , 20 種内外 キケマン関東 ~ 九州のやぶの縁や 海岸などにはえるケシ科の二年草。全 ある。太平洋側の海辺にはえるものが 体に粉緑色で異臭がある。茎は高さ 30 多く , 関東以北から北海道に→ハマギ ~ 4 時ン , 根生葉は 2 ~ 3 回羽状に裂け ク , コハマギク , 関東から東海道に→ る。春 , 枝先に総状花序をつけ , 多数 イソギク , 四国から九州に→ノジギク , の花を横向きにつける。花は黄色 , 筒 四国にシオギク , 九州にサツマギク , 形で , 長さ約 2 第 , 少しふくれた距が 本州の日本海側にサンインギクなどが ある。果実は線形で長さ約 3 。 ある。本州から四国の低山には→リュ 気孔 ! う高等植物の表皮にあって , ウノウギクが多く , 本州の亜高山にイ ガス交換を営む装置。若い茎や葉など ワインチンがある。また外来種の→シ にあり , 特に葉の裏面に多い。 2 個の ュンギクが野菜として , シロバナムシ 半月形の孔辺細胞と , その間のすき間 ョケギク ( →除虫菊 ) が薬用として広く からなり , 隣接細抱の膨圧の変化によ 栽培されている。 108
ウスユキソ に見立てこの名がある。 ウグイスカグラスイカズラ科の落 葉低木。ほとんど日本全土の山野には える。葉は対生し , 広卵形 ~ 楕円形で 無毛。葉の縁は , 若いとき暗紅紫色を 帯びる。 4 月 , 葉が出ると同時に , 葉 腋から細長い花柄をたらし , 淡紅色の 花をつける。花冠は 5 裂。果実は初夏 赤熟し食べられる。庭木にする。 ウコギヒメウコギとも。中国原産 のウコギ科の落葉低木。生垣に植えら れ , 野生化もする。枝にはとげがあり 葉は掌状に 5 小葉に分かれる。初夏に 葉腋から出た花柄上に黄緑色で 5 弁の 小花を散状につけ , 黒熟する果実を結 ぶ。新芽は食用 , 根の皮は五加皮酒の 原料。類品で花柱が 2 個ある野生のヤ マウコギと混同されることもある。 ウコン熱帯アジア原産で , 日本で は九州最南部 , 屋久島に栽培されるシ ョウガ科の多年草。高さ 50 享ン内外。そ の根茎を鬱金 3 んといい薬用にもするが , おもな用途は香辛料 , 着色料としてカ レー粉製造 , たくあん漬の着色など。 ウコンバナ→ダンコウバイ ウサギキクキク科の多年草。 リング海西部沿岸の寒帯に分市し , 日 本では本州中部以北の高山の草地には える。茎は高さ 12 ~ 35 笋 ' , 枝分れしな い。下部の葉はさじ状で対生につき , 上部は小形でしばしば互生する。頭花 は舌状花と筒状花からなり , 夏 , 茎の 先にただ 1 個っく。 ウシコロシカマッカとも。 ノヾラ和ト の落葉低木 ~ 小高木。日本全土 , 朝鮮 の山野にはえる。葉は倒卵形か長楕円 形で , 縁には細かい鋸歯こよがある。春 , 白い 5 弁の小花が , 小枝の先に集まっ て咲く。果実は卵状球形で , 秋 , 赤熟。 材は堅く , ウシの鼻輪にしたことから この名がある。鎌の柄 , 細工物にする。 ウシノシタ→ストレプトカルバス ウシノヒタイ→ミゾソバ ウシノ、コへ、ハコペ ウスユキソウ北海道 , 本州の山地 にはえるキク科の多年草。高さ 25 ~ 5 5 ウ ウシコロシ 果実 ウサギキク ウコギ 43
ワラ乙ヨモ れるコンテリクラマゴケはやや大形で , 葉に美しい青色の光沢があり , 中国 原産。 クラムヨモギパキスタン北西部の 砂漠地帯に自生するキク科の多年草。 駆虫の効のあるサントニン含量きわめ て高く 2 ~ 3 % 。高さ 70 ~ 10 嘘ン , 茎の 下部は半木質化する。 1950 年日本に導 人され , 栽培試験に成功。現在ではお もに香川県で栽培される。かって北海 道に多く栽培されたミプョモギは欧州 原産のキク科の多年草で昭和の初期に 導人。サントニン含量は前種よりはな はだ低い。 クララ本州 ~ 九州 , 東アジアの山 野に多いマメ科の大形多年草。茎は直 立して高さ 1 ~ 1.5 に達し , 15 ~ 40 個 の小葉をもっ , 長さ 15 ~ 25 の奇数羽 状複葉を互生。初夏 , 長さ 10 ~ 2 時ノの 花穂を出し , 長さ 15 ミリ内外 , 淡黄色の 蝶をよ形花を多数つける。根を駆虫剤と する。飲むと目がくらむほど苦いので クララの名がある。 クリ ( 栗 ) ブナ科クリ属の果樹。落 葉性の高木で , 6 月 , 新枝の葉腋から 花穂を出し , 先に雄花 , 基部に雌花を つける。果実は 1 ~ 3 個集まっていが に包まれる。 8 ~ 10 月に収穫。主要な 栽培種には , 中国原産のシナグリ , 日 本原産のニホングリなどがある。シナ グリは輸人され , 甘栗 , 天津栗の名で 市販される。ニホングリの品種は 200 以 上といわれるが , クリタマバチの被害 のため現在は耐虫性をもっ品種に統一 代表的なものに森早生 , 銀寄 , 岸 根に , 丹波など。主産地は茨城。材は 杭第枕木 , シイタケ原木とする。 クリスマスローズ欧州原産のキン ボウゲ科の常緑宿根草。掌状に深裂し た葉を根生し , 早春 , 15 ~ 30 にのび た花茎に径 5 ~ 6 享ーの花を 1 ~ 2 輪っ ける。自または紫を帯びた 5 枚の花弁 状のがくの中央に , 多数の雄しべとそ のまわりに緑色を帯びた筒形の短い花 弁がある。栽培は肥えた半日陰がよく , 花壇 , 鉢値 , 切花に用いられる。秋の ョ ム ラ ク 128
ニオイアラ 南欧 ~ 西アジアに分市するスミレ科の ニオイスミレバイオレットとも。 ニオイコプシ→コプシ る。花壇向き。 等のもの , 八重咲や矮性 : の品種もあ 弁花を総状につける。花色が紫紅 , 赤 の上部に黄だいだい色の芳香のある 4 は先のとがった皮針形。春 ~ 初夏 , 茎 て扱われる。高さ 30 ~ 80 享ンになり , 葉 年草。園芸的には秋まきの一年草とし ワーとも。欧州原産のアプラナ科の多 ニオイアラセイトウウォールフラ る傷口をつくる害虫の防除が必要。 発生する。排水をよくし , 病原菌の人 軟腐病は藻菌類の寄生により貯蔵中に くの植物に発生。また , サツマイモの ト , ダイコン , ハクサイ , キクなど多 どが腐敗・軟化して悪臭を発する。トマ ニオイアラセイトウ ニガキ 果実 ニオイスミレ 多年草。草たけ 15 内外で , 葉は濃緑色 でハート形。花は芳香があり紫の濃淡 , 桃 , 白色で , 八重咲もある。ふつうに 見られるラ・フランス種にはほとんど かおりがない。切花 , 鉢植に向き , 株 分け , 根伏せでふやす。 ニオイタチッポスミレ→タチッポ スミレ ニオイヤグルマイラン原産のキク 科の秋まきの一年草。おもに切花用に 栽培される。高さ 50 内外 , 葉はアザ ミに似る。 5 ~ 6 月 , 径約 5 享ン , 黄色 で芳香のある頭状花を単生。花色が淡 紅 , 白色のものと一緒にしてスイ サルタンともいうが , 園芸的にはイエ ローサルタンとして別に扱われる。 ニガウリ→レイシ ニガキ日本全土の山野にはえるニ ガキ科の落葉高木。樹皮 , 枝 , 葉など に強い苦味がある。葉は奇数羽状複葉 , 小葉は長卵形で先はとがる。雌雄異株。 5 ~ 6 月 , 新枝の葉腋から広円錐花序 を出し , 黄緑色 4 ~ 5 弁の花を開く。 果実は楕円形で 9 ~ 10 月に青緑色に熟 する。木部を粉末にして健胃剤とし , 材は器具とする。 ニガクリタケモェギタケ科の小形 キノコ。全世界に分布し , 周年 , 山地 , 路傍の樹の根元 , 切株などに東生する。 全体にイオウ色を帯び , 傘は径 2 ~ 5 , 平滑で , ひだは黄 ~ 暗紫褐色とな り , 柄の上部には毛状の鐔状物がある。 一見 , 食べられそうだが毒菌で , 中毒 死の例もある。 ニガタケ→マダケ 276
ゲ , フジマメなど。 マメザクラ本州中部以東の山地 , 特に富十山に多いのでフジザクラの名 もあるバラ科の小高木。よく分枝し , 全体に多少の斜上毛がある。葉は倒卵 形で 2 重鋸歯こよがあり , 長さ 3 ~ 基部にやや大きな 1 対の腺がある。春 , 径 2 内外の淡紅色の 5 弁花が散状に 数個すつつく。 マメダオシ→ネナシカズラ マメヅタウラボシ科のシダ。本州 南部 ~ 九州などに分布し木の幹 , 岩上 などに着生。糸のような非常に長い茎 がのび , 長さ 1 ~ 1.5 享ンで厚い肉質楕円 形の葉がまばらに出て横たわる。胞子 葉は長さ 4 ~ 5 既倒皮針形で直立し , 縦に長い 2 条の胞子嚢群がっく。 マユミヤマニシキギとも。 ニシキ ギ科の落葉低木 ~ 小高木。日本全土の 山野にはえる。枝は緑色で白いすじが あり , 葉は対生 , 楕円形で先はとがり , 縁には鋸歯こよがある。雌雄異株。 5 ~ 6 月 , 前年枝の根元に集散花序を出し , 緑白色の 4 弁花を開く。果実はほぼ四 角形で , 秋に淡紅色に熟して 4 裂 , 赤 い仮種皮のある種子を出す。材を細工 物 , 樹を庭木とする。 マヨラブ - + マージョラム マランタ熱帯アメリカ原産のクズ ウコン科の一属 Maranta で約 25 種あり , 数種が観葉植物として温室で栽培され る。→カラテアと似ており , 園芸上は カラテア属の多くがマランタと混同さ れている。代表種 M. ビカラー ( モンヨ ウショウ ) は , 葉が長さ 10 享ン内外の卵状 楕円形で葉柄があり , 葉脈の間に暗緑 色の斑点がある。 マリアアサミ南欧 , 北アフリカ , アジア原産のキク科の二年草。草たけ 1 以上になり , 葉は縁が波状または 鋸歯こよ状で鋭いとげがあり , 葉面に乳 白色の斑紋が出る。頭花は淡紅紫色で , 筒状花のみ。秋まきで 5 ~ 6 月 , 春ま きでは夏 ~ 秋に開花。花壇 , 切花用に 栽培される。 マリゴールドメキシコ原産のキク 363 マユ マリゴール 果実 マメザクラ マランタ M. ビカラー マメヅタ
コウゾ コ コウジ果実 地上部が地下部に比べて小さいものが 多い。花色は鮮明で花期が接近し一時 に開花するため , →お花畑といわれる 美しい景観を示す。日本の高山植物は 40 % が固有種 , 30 % がアジア北東部共 通種 , 20 % が北周極地方共通種とされ ている。キク科 ( タカネニガナ , ヒメウ スユキソウ ) , ゴマノハグサ科 ( ウルッ プソウ , ミヤマクワガタ ) , リンドウ科 ( イワイチョウ , トウヤクリンドウ ) , サクラソウ科 ( ハクサンコザクラ , ユキ ワリソウ ) , ツッジ科 ( イワヒゲ , キバ ナシャクナゲ , クロマメノキ ) , バラ科 ( ミヤマダイコンソウ , チングルマ , ヤマキンバイ ) , キンボウゲ科 ( シラネ アオイ , ハクサンイチゲ ) , ラン科 ( ノ クサンチドリ ) などのものが多い。 コウジ ( 柑子 ) 日本原産と考えられ , 古くから知られている柑橘語。耐寒性 が強く , 高さ 3 内外。枝にはとげが なく , 葉はやや小形で , 花は白い。果 実は小形で 4 吃ラ内外 , 果面は黄色 , な めらかで果皮は薄く , むきやすい。 6 個内外の種子がある。 11 月中旬こ、ろか ら色づく。甘いが酸味もある。 コウジカビ ( 麹黴 ) デンプンを含む 有機物に生じる子嚢菌類コウジカビ科 のカビ。黄緑色 , 後に褐色の菌叢黔を っくる。菌糸から上端が球状にふくれ た分生子柄を出し , 表面に 1 列の分生 141 コウゾ果実 アジアの山地にはえるクワ科の落葉低 コウゾカゾとも。本州 ~ 九州 , 東 向性→屈性 コウシン / ヾラしモッコウノヾラ コウシンソウ→ムシトリスミレ コウショクキ ( 紅蜀葵 ) →モミジア 紅樹林 5 誌→マングロープ など , 実用面も多い。 キクの促成栽培 , ニワトリの産卵促進 多く , 動物でもいろいろな例がある。 形成以外にも光周性反応をもつものは そのものについての詳細は不明。花芽 を与えると考えられるが , フロリゲン ンであるフロリゲンの生成などに影響 明期と暗期の長さは , 花芽形成ホルモ 芽を形成できるものを中日植物という。 日植物という。また日長に無関係に花 逆に短くなると花芽をつけるものを短 を長日植物 , 多くの秋咲植物のように , の長さ以上になると花芽をつけるもの ように , 昼の時間 ( 日長 , 明期 ) が一定 の形成は最も有名。多くの春咲植物の 生物が反応を起こすこと。植物の花芽 うせい 光周性こうしゅ昼夜など明暗の周期に , 酒 , みそ , 醤油などの製造に利用。 種麹じの形で培養されてきた。日本 タンバク質の分解力が強く , 古くから 球状の分生子を鎖生する。デンプン , 子梗号を放射状につけ , それぞれの上に
帰化植物と雑草 れるほどで , しかも競争力もいたって強い。 セイタカアワダチソウは黄色のキク科の 葉柄が短くて , 茎に密についているため , 花である。戦後 , 北アメリカから福岡県に 密生すると他の植物の人りこむ余地がなく 人ってきたといわれるこの帰化植物は , 19 なる。しかもこのセイタカアワダチソウは , 50 年代から , 鉄道沿線に広がりはじめ , 現 そればかりでなく , 地下部から D ME (di- 在では京阪神を中心に , その茂を誇って hydro maticaria ester) という質を分 いる。 10 月から 11 月にかけて , 円錐状の大 泌し , 他の植物の成長を抑制するという ( こ きな花穂をつけ , 荒地を黄一色にぬりつぶ のはたらきを他感作用またはアレロバシー し , その花粉は , →プタクサとともに花粉 という ) 。しかしこの植物もかなわない植 病 ( せん息 ) の原囚となるとして問題化され 物がある。川原などに生えているオギがそ ている。 れである。オギが自然繁茂している地域で たくましいセイタカ は , さすがのセイタカアワダチソウも侵入 アワダチソウの繁殖カ できない。しかし , 草刈りや火人れなどが 高さ 2 m にも達する直立した茎をもっこ 繰り返されているうちに , オギは次第に減 の草は , 抜群の繁殖力と成長力を示す。 1 少し , ついには消滅してセイタカアワダチ 本の茎から , 10 , 000 以上の種子を生産し , ソウと入れ代わっていく。豊富な地下茎で の貯蔵物質を利用して , 茎の再生 冠毛を用いて風にのせ , 広い範囲にわたっ てそれを散布する。また一方 , 地下茎を利 を急速に行なっていくためである。 用して花期以外にも栄養繁殖を行なうので , 日本種に交替をせまる 休耕田や川原などに侵人すると , たちまち セイヨウタンポポ にそこを占領してしまう。そのスヒ。ードは , また , ョーロッパに原産地をもっセイヨ 侵人して 1 年で純群落を作りあげるといわ ウタンポポも , 同じキク科の帰化植物であ る。比較的乾燥した裸地に侵人し , 日本産 のカントウタンポポなどにとって代わろう としている。大体タンポポは , 陽地性の植 物なので , 定期的に草刈りなどの行なわれ る土地を好む。つまり乾燥した裸地には強 い植物であるが , このセイヨウタンポポに その勢力の交替を強 いられている。 その理由について いろいろ追究されて いるが , まだ十分な 解明はされてはいない。それは , セイタカ - ) アワダチソウのような他感作用によるので ないと考えられており , むしろ , 両者の繁 殖作用の差が大きくあずかっているのでは ないかと推定されている。つまり , カント ウタンポポが有性生殖により種子を作るの に対し , セイヨウタンポポはもつばら受精 ぬきの無性生殖 ( バーセノジェネシスまたは さ セイヨウ タンポポ ま プタクサご その花粉 ( 拡大 )