きには , 3 年生きるものがあるようです。 しいく 下の図は , 私が満 2 年 , 約 800 日間飼育したオカダンゴムシとワ しめ ラジムシの成長を示したものです。オカダンゴムシでは 6 , 7 月ごろ , 卵からかえったものが , その年の秋には体重約 30mg になり , つぎの 年の夏 , 満 1 年後には約 90mg , 満 2 年目の夏には約 ll()mg になりま した。これはメスでしたが , 多くのものはとちゅうで死んでしまい ました。 ワラジムシでは満 1 年をすぎると , あまり体重がふえませんでし ちょうせん もし , 精密なはかりがありましたら , ぜひわたしの記録に挑戦し て , 長い間飼ってみてください。えさをかえて飼ってみるのも , お もしろいと思います。 オカダンゴムシとワラジムシの体重の変化 せいみつ オカダンゴムシ 100 体重 ワラジムシ △△△ △ △ △ 300 △ △△△ 400 500 10 11 12 1 9 200 700 800 日 7 8 月 600 4 5 3 1977 年 7 8 9 10 1 1 12 1 1976 1975 48
ったりしているのです。 森林など自然の残っているところには , ヒメフナムシやもともと 日本にいる小形のダンゴムシーーーセグロコシビロダンゴムシがいま はかい すが , 都市の中など自然のあまり残っていないところ , 自然が破壊 されたところには , これにかわって , 大形のオカダンゴムシやワラ ジムシのなかまが出てきます。とくに , ホソワラジムシはゴミすて 場にいたり , 家の中にいたりします。 どじよう はかい どじよう 自然の残りかたと土壌動物の関係 , 自然の破壊にともなう土壌動 どじよう 物の変化については , まだよくわかっていませんが , 土壌動物を調 べることによって , 自然の残りかた , その度合いを知ることもでき るのです。 ちいき みなさんの住んでいる地域の中の , 森林 , 草地 , 畑 , 町の中の公 0 〔 4 mm 〕 ホソワラジムシ 〔 15mm 〕 都市に多いオカダンゴムシ ( 左 ) と , 森林にいるコシビロダンゴムシ ( 右 ) 55
ふんさい 0 落ち葉をこなごなに ( 粉砕・分解 ) する クソミミズの糞塊 ふん その 1 っすつの大きさは直径 10 ミクロンもの細かい粒にくだかれていたと ちょっけい つぶ 全部食べ , 糞にしてだすと , その表面積は 1.8m2' 何と 1 万倍にもなり , マツの枯れ葉の 1 本の表面積は 18()mm ' であるのに , これをササラダニが もの落ち葉を食べるといわれています。 日に自分の体重の 10 % , あるいは , それ以上 , ササラタ。ニでは体重の 40 % もちろん , 食べものの種類などでちがいますが , オカダンゴムシでは 1 ぶんかい いいます。 表面積が大きいほど , ぶんかい は進んで , もとの , 水・炭酸ガス , そしてカリウムやリンなどの無機物に たんさん むきぶつ カビやバクテリアのくつつく面積がふえ , くさり きゅうしゅう むきぶつ 分解されます。植物はこれらの無機物を根から吸収して , 、籥第製第第物響第 第、第第第を讀 0 編 ふん オカダンゴムシの糞 大きくなるので ふんかい 57
どじよう か 5 . 土壌動物を飼ってみよう しいく ☆オカダンゴムシ , ワラジムシ , ヒメフナムシの飼育 しいく オカダンゴムシ , ワラジムシ , ヒメフナムシの飼育はあんがいか んたんです。 ふかざら しいく 深皿シャーレや飼育びんに土をつめ , 落ち葉をあたえ , かくれる わ 場所として , 小石や割れた植木ばちのかけらなどを入れ , これにダ ンゴムシ , ワラジムシ , ヒメフナムシを入れます。水はあまりやり すぎると , カビがはえたりしますので , ときどき , ようすをみてや るだけでだいしようぶです。ちがった種類の植物の落ち葉をえさと してあたえ , どの落ち葉は一番すきなのか , 調べてみるのもおもし ろいテーマです。 ダンゴムシに , コナラ , アラカシ , ツバキ , ダイズなどの葉をいっしょに一まいすっ入れ、 のかを調べてみたことがあります。そのとき , ズの葉を一番はしめに食べ , つぎに , コナラ , らくようじゅ オニグルミ , ポプラ , どれを最初に食べる ダンゴムシは , ダイ ポプラ , オニグルミ などの落葉樹の落ち葉を食べ , これらが全部なくなると , やっと , うす じようりよくじゅ 常緑樹のアラカシやツバキを食べはしめました。葉の薄いものをこ あっ あっ のみ , 葉の厚いものはきらいだったようですが , かたさ , 厚さ , 水 分などとともに , 葉にふくまれているいろんな成分が , すき・きら 46
いをきめているのかもしれません。 ようたい しいく かえったばかりの小さな幼体を飼育して , ときどき , 体重をはか って , どう体重がふえるのか , どう成長するのか調べることもでき ます。ちがった落ち葉 , ちがった種類のえさをあたえてみたり , も こうおんき しいく し , 恒温器があれば , ちがった温度で飼育し , えさのちがい・温度 のちがいによって , どう成長がちがうのか , 調べてみるのもおもし ろいことです。 ダンゴムシ , ワラジムシ , ヒメフナムシのかえったばかりのもの の体重は , lmg 以下ですが , オカタ、、ンゴムシではオスで 25()mg , メ スで 200 mg, ワラジムシで 60mg, ヒメフナムシでは 5()mg ぐらいにな ります。ワラジムシ , ヒメフナムシでは , 多くは満 1 年で死に , 少 しのものが 2 年生きるようです。オカダンゴムシでは , 満 2 年 , と ワラジムシ〔 15mm 〕 落ち葉のやわらかい 部分をしようすに食 4 7
もくじ はしめに さいしゅう 1 . 採集してみよう・・ さいしゅう 手 ( ピンセット ) で採集する ( 9 ) / ツルグレン装置をつ さいしゅう ちゅうしゆっ くって採集 ( 抽出 ) する ( 7 4 ) / ダニ ( 7 9 ) / トビムシ ( 2 の そうち さいしゅう ちゅうしゆっ / べールマン装置をつくって採集 ( 抽出 ) する ( 22 ) 2 . 土の中の動物を調べるときの注意・・ とくちょう 3 . 土壌動物の特徴・・・ からだが小さい ( 引 ) / からだは細長い円筒形 ( 33 ) / か らだの色が白い ( 33 ) 4 . 調べてみたいこと・ かんきよう ひかく 環境のちがうところでの動物の比較 ( 38 ) / 深さによるち どじよう がい ( 39 ) / 季節ごとの変化 ( 4 幻 / 土壌動物の生活を調 べてみよう ( 42 ) / 地方ごとでの動物のちがい ( 43 ) こわい動物・・ 5 . 土壌動物を飼ってみよう・・ しいく ヒメフナムシの飼育 ( 46 ) オカダンゴムシ , ワラジムシ , しいく ミズの飼育 ( 49 ) 4 そうち ・・ 25 ・・ 29 ど えんとうけい ・・ 37 ・・ 45 ・・ 46 どじよう か